長城汽車、オーストリアにR&D拠点

中国自動車大手の長城汽車(GWM)がオーストリア東部のコッティングブルン(ニーダーエースターライヒ州)に研究開発(R&D)拠点を開設する。同社とって初めての国外R&D拠点であり、電気駆動技術の開発に重点を置く。今後3年間で約1,000万ユーロを投資し、エンジニアを約100人雇用する計画。オーストリアの経済誌『トレンド』(9月26日付、オンライン版)が報じた。

同誌によると、新R&D拠点はGWMオーストリア・リサーチの名称となり、オーストリア出身のマークス・シェルマン氏(50)がゼネラル・マネージャーに就任した。同氏はすでに8月から、従業員5人と共にGWM向けの最初のプロジェクトを開始しているという。また、同拠点では現在、システム開発や、ハードウエア、電気モーターの開発などで従業員20人を募集している。

シェルマン氏によると、オーストリアのR&D拠点は戦略的、長期的な投資であり、電気駆動、モーター、パワーエレクトロニクス、ソフトウエアの開発に重点を置く。2018年末にはオーストリアで量産車向けの最初の独自プロジェクトを開始できる見通しという。

また、GWMの研究開発事業はこれまで、本社のある河北省保定市に集中していたが、電気自動車やハイブリッドモデルのラインアップ強化を進めるにあたり、技術者の増員が課題となっているという。欧州には電気駆動車(エレクトロモビリティ)関連の技術者が多いものの、勤務地を中国にすると人員の確保が難しいため、欧州にR&D拠点を開設した、と説明している。GWMは欧州ではブルガリアに工場を持つ。

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