米フォード、ドイツで銀行ライセンスを申請=独紙

米自動車大手のフォードは、ケルンにあるドイツ本社に金融事業を加えるもようだ。英国が欧州連合(EU)を離脱すると、これまで欧州全域で金融事業を展開してきた英子会社の銀行ライセンスが他のEU加盟国では適用されなくなるためで、2017年夏にドイツで申請した銀行ライセンスが今年夏には認可される見通しという。9日発行の独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』が報じた。フォードの広報担当者は取材に対しコメントを控えている。

EUには、EU加盟国の1つで銀行免許を取得すると、他のEU加盟国でも支店を開設したり、金融商品を販売したりできる制度がある。しかし、英国は2019年3月末にEUを離脱する予定のため、これまで英国拠点からEU域内で事業を展開してきた金融機関は、他のEU加盟国で免許を取得する必要がある。

『フランクフルターアルゲマイネ』紙によると、フォードはこれまで、英国のワーレイ(エセックス)にあるフォード・クレディット・ヨーロッパ(Ford Credit Europe)を通して欧州全域で、リース事業や自動車購入者向けの金融・保険事業、ディーラー向けの金融事業を展開してきた。ドイツのケルンにはこれまで、同社の支店があるのみだった。

なお、同紙によると、英国でも他の加盟国で取得したライセンスが適用されなくなる可能性があるため、独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は英国での銀行ライセンスの申請を検討しているという。

自動車メーカーがEUの銀行ライセンスを取得した近年の例では、韓国の現代自動車があり、ヒュンダイ・キャピタル・バンク・ヨーロッパが2016年12月、ドイツのフランクフルトで業務を開始した。

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