独露経済界がイニシアチブ発足、ロシア経済のデジタル化で協力

ドイツとロシアの経済界がロシア経済におけるデジタル化で協力する。モスクワで開催されたロシア産業企業家同盟(RSPP)主催のイベント「ロシアビジネスウィーク」(2018年2月5~9日)で2月7日、「デジタル化に向けたドイツ・ロシア・イニシアチブ(GRID:German Russian Initiative for Digitalization)」の発足を発表した。同イニシアチブには、独露の大手企業のほか、3つの業界団体が参加している。

発表会には、ロシア連邦政府のアルカジー・ドヴォルコヴィッチ副首相も出席し、「我々はこのイニシアチブがロシア経済の生産性の向上に向けた効率的なツールとなり、グローバル市場向けの競争力の高い製品の開発に寄与することを望んでいる」とコメントした。

イニシアチブには、ドイツの電機大手シーメンス、ソフトウエア大手SAP、ロシアからは通信大手ロステレコム、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)システムの開発に取り組むZyfra(レノヴァ・グループ)などが参加している。また、在露ドイツ商工会議所(AHK)、ドイツ経済界東欧委員会(OA)、ロシア産業企業家同盟(RSPP)の3団体も参加している。

イニシアチブの発足に向けては、OAとRSPPが2017年7月にサンクトペテルブルク経済フォーラムで覚書に署名していた。

同イニシアチブは、ロシア経済におけるデジタル化やノベーションの分野に欧州のベストプラクティスを導入し、競争力を高めることに主眼を置いている。また、デジタル分野における知見の交換を通して独露の製品を改善し、世界市場における市場シェアを高めることを目指す。

独露の専門家が作業グループを通して協力する分野は、デジタルエンタープライズから、スマートマニュファクチャリング、ブロックチェーン・テクノロジー、インダストリー4.0まで、多岐にわたる。

デジタル分野におけるドイツ企業の取り組み事例を紹介するため、成功したデジタル化プロジェクトを展示する共同ショールームをモスクワに開設する計画もある。

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