独自動車大手BMWのペーター・シュヴァルツェンバウアー取締役(MINI/ロールスロイス/BMWモトラッド(二輪)/BMWグループの顧客体験・デジタルビジネスイノベーション担当)は、独業界紙『オートモビルボッヘ』によるインタビューの中で、BMWグループでは、電気駆動車(エレクトロモビリティ)の普及が急速に広がるティッピングポイント(転換期)を2019/2020年と予測していると説明し、傘下の小型車ブランドMINIの電気自動車「MINI E」を2019年末に市場投入する計画は、最適な時期となりうる、との見解を示した。
また、MINIが将来的に純粋な電気駆動車のブランドとなる可能性はあるかとの質問に対しては、「将来」が今後5年以内と限らなければ、MINIがそのような方向に向かう可能性はあると述べ、電動化の方向性はすでに示している、とコメントした。
BMWグループは2018年の電気駆動車の出荷台数で14万台以上を目指している。また、グループ全体で販売する純粋な電気自動車(BEV)またはプラグインハイブリッド車(PHEV)は、2025年までに合計で25モデルとする計画を示している。
■ BMWアイベンチャーズ、中国に新拠点も
シュヴァルツェンバウアー取締役は、BMWグループのベンチャーキャピタル子会社であるBMWアイベンチャーズ(BMW i Ventures)の責任者でもある。同取締役は『オートモビルボッヘ』紙とのインタビューの中で、スタートアップ市場の現状についても語った。
同取締役によると、自動車分野ではスタートアップ企業が急激に増えており、米国のシリコンバレーだけでなく、特に中国で新興企業が増えている。このため、投資先を見極める作業も大幅に増えており、人員を増強して対応していると説明した。新たな拠点も検討しているといい、中国の深センあるいは上海にBMWアイベンチャーズのオフィスを設けることは十分に考え得る、とコメントした。