独自動車大手BMWの自動運転分野を統括するエルマー・フリッケンシュタイン氏は、独業界紙『オートモビルボッヘ』が開いた業界会議で、自動運転車の実現に向けた課題などについて語った。
同氏は、「エレクトロモビリティ、モビリティサービス、そして最終的には自動運転のすべてにおいてネットワーク化がカギになる」と述べた。BMWは3年前にすべての車両をネットワーク化することを決め、世界で現在約1,000万台のネットワーク化されたBMW車が走行している、と説明した。
また、BMWはカーシェアリングサービス「ドライブナウ」や充電関連サービス「チャージナウ」といったBMWのモビリティサービスを通して、ネットワーク化、データの取り扱い、フリートマネジメントなどの経験を積んでおり、これらを自動運転に生かしている、と言及した。
BMWは2021年までに「レベル4」の自動運転機能(ドライバーが意識を離すことができる(マインドオフ)完全自動運転)を搭載したモデルの実現を目指している。フリッケンシュタイン氏は、無人運転となる「レベル5」の実現時期については、まだ明確ではない、とコメントした。
同氏は、自動運転の実現に向けては、車両周辺の状況を把握するための環境モデルが必要であり、周辺を走行する車両や自動二輪、トラムの線路や道路の走行車線の変更などの情報を掌握しなければならない、と説明。このためには、画像処理に加え、人工知能が必要だと言及し、現在、バックエンドにおける様々な場面のラベリングを通してニューラルネットワーク(神経回路網)を訓練している、と説明した。また、自動運転車の認可を得るためには、2億4,000万キロメートル以上の試験走行と500ペタバイトのデータセンターが必要になるとの見解を示した。このような取り組みを単独で実現することは非現実的であり、世界のベストプレイヤーと協力する必要がある、と言及した。