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2018/4/20

一般・技術・その他 (旧)

ドイツ、燃料電池電車が試験走行

この記事の要約

ドイツ中部のヘッセン州でこのほど、燃料電池で走行する電車の試験走行が行われた。燃料電池は水素と酸素の化学反応で発生する電気エネルギーを利用したもので、水しか排出しないため、環境にやさしい利点がある。このため、燃料電池電車 […]

ドイツ中部のヘッセン州でこのほど、燃料電池で走行する電車の試験走行が行われた。燃料電池は水素と酸素の化学反応で発生する電気エネルギーを利用したもので、水しか排出しないため、環境にやさしい利点がある。このため、燃料電池電車は、高架線が整備されていない地域で運行されているディーゼル列車に代わる電車として需要があると見られている。

今回、試験走行したのは、仏鉄道車両大手アルストムが製造した「Coradia iLint」で、乗客約150人を乗せてヴィースバーデンからヘキストまでの地方路線を走行した。同車両の最高速度は時速140キロメートル、水素タンクをフル充填した場合の航続距離は最大1,000キロメートルとなっている。燃料電池と水素タンクは車両の屋根の上に配置されている。また、床下にはリチウムイオン電池を装備しており、減速時のブレーキエネルギーを回収・貯蔵し、加速時にエネルギーを供給することができる。

ヘッセン州のライン・マイン地域交通事業団(RMV)は、2022年末から4路線で燃料電池電車の運行を開始する計画。現在、欧州全域を対象とした入札の準備を進めており、最大26車両を調達する予定。

また、ヘキストの工業団地では、工場の副産物として燃料電池車の動力源となる水素が生成されており、1日当たり7トンの水素を確保できる。

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