韓国の電機大手LG電子26日、オーストリアの自動車用照明メーカーZKWを買収したと発表した。LG電子がZKWの資本の70%を、LG電子の親会社LGコーポレーションが残りの30%を取得し、完全子会社化した。取引規模は11億ユーロを超える。LGはZKWの買収により、欧州の大手自動車メーカーとの取引拡大を目指すほか、両社のノウハウの統合によるインテリジェントな照明ソリューションの開発を進めていく。
ZKWは今後、LGグループにおける自動車照明のコンピテンスセンターに位置づけられる。ZKWは、アウディ、BMW、ポルシェ、ダイムラーなど欧州の高級車大手を顧客に持っており、LGにとっては欧州メーカーとの関係強化の足掛かりとなる。また、LGのセンサーや通信技術などのエレクトロニクス技術とZKWの照明技術を組み合わせ、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車向けの照明など、新しい高度な照明技術の開発にも注力する。ZKWにとっても、LGの世界的な販売網を通した事業拡大が可能になる。
LGはZKWの経営の自主性を尊重する方針を示しており、ZKWグループの本社は長期的にオーストリアにとどまり、現経営陣も続投する。オーストリアの生産拠点の存続も最低5年間保証する。ZKWの2017年の売上高は12.6億ユーロで、世界に9,000人の従業員を持つ。拠点はオーストリアのほか、スロバキア、チェコ、中国、インド、メキシコ、米国にも置いている。
LG電子によると、世界の自動車用照明市場の規模は、2017年の245億ドルから2020年までに290億ドルに拡大すると予想されている。
また、LGグループは2025年までに世界の自動車部品大手のトップ10入りを目指しており、ZKWの買収は同目標の達成にも寄与する。