独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車大手アウディのルーパルト・シュタートラー社長がディーゼル車の排ガス不正の捜査対象に加わった。ミュンヘン検察庁は11日、シュタートラー社長と別のアウディ取締役1名に捜査対象を広げ、両者の家宅捜査も実施したと発表した。
VWグループでは2015年9月に、規制逃れのため、一部のディーゼルエンジン車に試験時だけ排ガス浄化機能をフル稼働させる違法ソフトを搭載していた問題が発覚した。不正ソフトウエアの開発では、アウディの技術者が大きく関わっていたとされる。
2007年からアウディの社長を務めているシュタートラー社長は同問題について、後から知ったと説明しているが、ミュンヘン検察庁では同社長が不正ソフトウエアの搭載を知りながら車両を販売していたとみているもよう。
メディア報道によると、捜査対象となっているもう1名はベルント・マルテンス取締役(調達担当)とみられている。また、VWが18日に予定している監査役会では、今回の捜査も議題となると見られており、シュタートラー社長の進退にも注目が集まっている。