独自動車大手のダイムラーは7月26日、取締役会と監査役会が組織再編計画を承認したと発表した。持ち株会社ダイムラーの傘下に、メルセデスベンツ(乗用車・軽商用車)、ダイムラー・トラック(商用車)、ダイムラー・モビリティ(モビリティサービス)の法的に独立した3子会社を置く組織体制とする。2019年5月22日の株主総会での承認を経て、新体制は2019年1月1日から始動する見通し。
ダイムラーは新体制により、各事業分野の柔軟性を高め、より的を絞った事業展開を強化する。ダイムラーのマンフレッド・ビショフ監査役会長は、「新しい組織構造によりダイムラーはモビリティ業界の急激な変化とそれに伴う戦略的な課題に対応する」とコメント。ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長も、「新体制により、より的を絞った顧客ニーズに合ったモビリティサービスを提供できる」との見解を示している。
現行の乗用車部門メルセデスベンツ・カーズと軽商用車部門のメルセデスベンツ・バンは将来、メルセデスベンツ(従業員数:約17万5,000人)に、トラック部門ダイムラー・トラックスとバス部門ダイムラー・バスズはダイムラー・トラック(従業員数:約10万人)に統合される。現在すでに法的に独立している子会社ダイムラー・ファイナンシャル・サービス(従業員数:約1万3,000人)は、ダイムラー・モビリティに社名を変更する。3社とも株式会社(AG)としてシュツットガルトに本社を置く。また、上部組織のダイムラーは、コーポレートガバナンスや戦略機能、グループを横断するサービス事業などを引き受ける。
今回の措置により、世界60カ国以上にある約700の関連会社を再編する。従業員の代表組織とは2029年末までドイツ国内の雇用を維持することで合意した。