独自動車大手のダイムラーは大型トラアック「アクトロス」をベースに開発した中国市場向けモデルの現地生産を計画しているもようだ。これまでは、メルセデスベンツのトラックを輸入販売してきたが、価格が高くなる問題がある。中国市場が急速に成長する中で、仕様を簡単にしたモデルを現地生産し、競争力を強化する。独業界紙『オートモビルボッヘ』が報じた。
ダイムラーのトラック部門とバス部門を担当するマルティン・ダウム取締役は同紙に対し、「これまでは『アクトロス』を輸入しているが、販売価格がどうしても高くなる」と述べ、現地生産を計画していることを示唆した。また、「中国の輸送産業は急速に伸びており、ダイムラーの技術と信頼性を備えた欧州風トラックには十分なチャンスがある」との見解を示す。ただ、問題は価格であり、ダイムラーが製造するトラックの希望小売価格と現在市場で販売されているモデルの価格にはまだ開きがある、と説明した。
『オートモビルボッヘ』紙ダイムラー消息筋から得た情報によると、ダイムラーは中国市場向けモデルを北汽福田汽車と共同で現地生産し、サービス・販売網も構築する計画であるという。
ダイムラーは中国では現在、北汽福田汽車との合弁会社、北京福田ダイムラー・オートモーティブ(BFDA)が「欧曼(Auman)」ブランドの中・大型トラックを生産・販売している。「欧曼」ブランドの中国における販売台数は、2016年が7万8,000台、2017年は11万2,000台だった。
独自動車工業会(VDA)によると、6トン超の商用車の2017年の世界販売は前年比16%増の330万台強に拡大した。特に中国市場が好調で前年比40%増の135万台に伸びており、世界販売の約40%を占めている。