欧州連合(EU)と英国は8月21日、英国のEU離脱をめぐる首席交渉官の会合をブリュッセルで開いた。交渉期限とされる10月が迫り、英国が協定を結ばないまま無秩序に離脱する事態が現実味を帯びる中、双方は早期の合意に向けて交渉を「継続的に」行うことで一致した。
英国は2019年3月にEUを離脱することになっている。離脱交渉の結果は欧州議会などの承認を得なければならず、その手続きに時間がかかることから、18年10月をめどに交渉を妥結させる必要がある。しかし、北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題、EUと英国の将来の通商関係といった重要問題をめぐる協議が難航し、期限内の合意が難しい状況となっている。
EUのバルニエ首席交渉官と英国のラーブEU離脱担当相は今回の協議後の記者会見で、離脱交渉が「最終段階」に入ったとの認識を示した上で、話し合いを加速させるため、これまで数週間おきに行ってきた交渉を今後は「継続的に」行う意向を表明。次の首席交渉官会合を次週に開くことを明らかにした。
EUは10月18、19日に開かれる首脳会議までに離脱交渉を妥結させ、同首脳会議で加盟国の承認を得ることを想定してきた。しかし、EU筋がロイター通信に明らかにしたところによると、EU側は10月までの合意が難しいと判断し、11月に臨時の首脳会議を開催することを検討しているという。