欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2018/9/14

企業情報 - 自動車メーカー

独ダイムラー、貨物・旅客輸送に対応したコンセプトカー発表

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーはこのほど、デンマークのコペンハーゲンで貨物輸送と旅客輸送の両方に対応できる新しいモビリティコンセプト「Vision URBANETIC」を発表した。物流事業者、近距離交通事業者、個人顧客の移動需 […]

独自動車大手のダイムラーはこのほど、デンマークのコペンハーゲンで貨物輸送と旅客輸送の両方に対応できる新しいモビリティコンセプト「Vision URBANETIC」を発表した。物流事業者、近距離交通事業者、個人顧客の移動需要に対応する総合的なコンセプトで、自動運転が可能な電気駆動の車台(プラットフォーム)に、様々な種類の車体を組み合わせる仕組み。また、学習機能を備えたITインフラストラクチャーの活用により、高効率で柔軟な車両運行を可能にする。

コンセプトカーの全長は5.14メートルで、積載スペースの長さは3.70メートル。旅客輸送では、ライドシェアリング(相乗り)の場合、最大12人が乗車することができる。貨物輸送の場合、車体の容積は10立法メートルで、欧州のイーパル(EPAL)規格のパレット10個(約1トン)を輸送することができる。

車両は電気駆動のため、排ガスによる大気汚染の問題がなく、走行音が静かな利点がある。また、レベル5の完全自動運転機能を装備するため、充電時間やメンテナンス作業を除き365日24時間の稼働が可能で、運営コストの削減や、運送業界におけるドライバー不足の問題にも対応することができる。

同コンセプトではさらに、学習機能を備えたITインフラの活用により、投入可能な車両や交通情報などをリアルタイムで分析するとともに、将来の移動需要などを予測することで、待ち時間や配送時間の短縮、渋滞の回避などが可能になる。

また、カメラ、センサーにより歩行者を認識し、ディスプレーを介して歩行者と車両がコミュニケーションをとるシステムも装備する。

ダイムラーはこのようなコンセプトにより、道路インフラをほとんど変えることなく、旅客・貨物輸送の効率を改善することで、大都市が直面する交通量の増加や二酸化炭素(CO2)排出量削減の問題の解決策を提示している。

COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |