独自動車大手のダイムラーは18日、傘下のムーベル・グループ(Moovel Group)がベルリンで隔年開催されている交通技術見本市「イノトランス(InnoTrans)」(9月18~21日)に出展し、交通事業者用プラットフォームを初披露すると発表した。
交通事業者は、ムーベルのプラットフォームを使用して、他の交通事業者のサービスと連携することができる。決済ライセンスに関する手続きなどを独自に行う必要がない利点がある。ムーベルは、交通料金の決済サービスに加え、利用者から得た料金を様々な交通事業者に分配できる技術を持つプラットフォームを開発した。
ムーベル・グループは、ダイムラーの100%子会社で「マース(Maas)」と呼ばれる「サービスとしてのモビリティ」(Mobility-as-a-Service)事業を展開している。都市部における移動を容易にし、生活の質を向上させることを目標としている。
マースとは、様々な旅客輸送サービスの連携を意味し、例えば、バス、鉄道、カーシェアリング、ライドシェアリング(相乗り)、自転車シェアリングなどを連携することができる。また、アプリを使用してチケットの予約や決済を済ませることもできる。
ムーベルは、2015年からシュツットガルトで、バス、鉄道、カーシェアリングサービス「Car2go」、ライドヘイリング(相乗り)「mytaxi」を連携させるアプリを提供しており、現在は、ハンブルク、カールスルーエ、アシャッフェンブルクでも同アプリを使用することができる。また、北米では、ムーベルNA(米オレゴン州ポートランド)がスマートフォンで切符の予約・決済が可能なサービスを提供している。ムーベルの製品の利用者数は現在540万人で、この12カ月間で220万人(67%)増加した。