EU・米通商協議で初の閣僚会合、11月中に「具体的成果を」

欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は10日、ブリュッセルでライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と会談し、7月の欧州連合(EU)・米首脳会談で合意した貿易障壁の撤廃に向けた通商交渉が本格始動した。双方は高官級の作業部会を立ち上げて協議を進めているが、担当閣僚による会合は今回が初めて。両氏は9月末に再協議する予定で、11月中に交渉の成果をまとめる方針を示している。

欧州委員会のユンケル委員長とトランプ米大統領は7月の首脳会談で、自動車を除く工業製品の関税や非関税障壁の撤廃に向けて交渉を開始することで合意。EU側は米国産の液化天然ガス(LNG)や大豆の輸入拡大でも合意した。トランプ氏は米国による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限への対抗措置として、EUが報復関税を発動したことを受け、欧州車に20%の関税をかけて再報復する構えをみせていたが、交渉中は自動車の追加関税を発動しない方針を示唆。一方、マルムストローム氏は8月末、米国の対応によっては自動車関税の撤廃も視野に交渉を進め、欧州委の任期が満了する2019年10月末までの合意を目指す考えを示していた。

マルムストローム氏はツイッターへの投稿で「7月の首脳会談で協議開始が決まって以来、初めての交渉機会となった。会合では今後の交渉の進め方や優先事項の特定方法などについて話し合った。やらなければならないことはたくさんある」と説明。双方が緊密に連携し、今秋中に具体的な成果をあげたい考えを示した。

一方、USTRは声明で「建設的な話し合いだった」と強調。10月に専門家会合を開いて削減可能な関税および非関税障壁を特定し、11月末までに「さまざまな分野での成果をまとめる」と説明した。

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