独中堅自動車輸送会社、中国への完成車の鉄道輸送を計画

独自動車輸送会社のモゾルフ(MOSOLF)は、2019年第1四半期から、欧州で生産した完成車を鉄道で中国へ輸送するサービスを開始する計画だ。完成車の中国への輸出はこれまで海上輸送で行われている。また、自動車部品の中国工場への鉄道輸送はすでに行われているが、完成車の鉄道輸送は初めてのケースになるという。独経済紙『ハンデルスブラット』が報じた。

モゾルフは、シュツットガルト近郊のキルヒハイム・ウンター・テックに本社を置く同族企業で、従業員数は約2,600人。2018年は売上高で約4億ユーロ、税引き前利益で約800万ユーロを見込んでいる。2025年までに売上高で6億ユーロを目指す。

モゾルフが計画するのは、成都へ輸送するルートで、中国の国鉄がすでに、カザフスタン、ロシア、ベラルーシを経由してウッジ(ポーランド)を結ぶ中国・欧州間の鉄道ルートの使用契約を締結し、スロット(輸送スペース)の提供を開始ししているという。

モゾルフは、自動車輸送専用のワゴンを350両保有しており、欧州域内ですでに完成車の輸送サービスを提供している。中国への輸送では、この専用ワゴンを使用する。中国の鉄道会社や物流会社と合弁会社を設立し、成都で自動車を積み替えて中国国内のディーラーや顧客に輸送する計画。

モゾルフのイェルク・モゾルフ社長によると、鉄道輸送では、海上輸送に比べて1トン当たりの料金が約4倍高くなるが、約2倍の速さで輸送できるため、資金負担が短期間で済み、流動資金の確保が改善される利点がある。

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