独自動車大手のダイムラーは3月28日、中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ、以下、吉利)と折半出資で中国に合弁会社を設立すると発表した。同合弁では、ダイムラー傘下の超小型車ブランド、スマートの次世代電動モデルを開発・生産する。当該モデルは中国で生産し、世界市場で2022年から販売を開始する。合弁会社は2019年末までに設立する予定。
スマートの次世代EVモデルは、メルセデスベンツが設計し、吉利のエンジニアリングセンターが開発し、中国で生産する予定。
スマートの新モデルを2022年から発売するまでは、フランスのハンバッハ工場で引き続き2人乗りEVモデルの「スマートEQフォーツー」を、スロベニアにあるルノーのノボメスト工場で4人乗りEVモデル「スマートEQフォーフォー」を生産する。
ハンバッハ工場では将来、メルセデスベンツの電気自動車を生産する。ダイムラーは昨年5月、メルセデスベンツが新ブランド「EQ」から販売するコンパクトカーをハンバッハ工場で生産する計画を発表していた。同計画の実施に向け、ハンバッハ工場に総額で約5億ユーロを投資する。
■ 合弁会社の監査役は各社同数
合弁会社の監査役会には、各社がそれぞれ同数を送り込む。吉利からは、李書福董事長を含む3名が就任する。ダイムラーからは、フーベルトゥス・トロスカ取締役(中国事業担当)、ブリッタ・ゼーガー取締役(乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズの販売担当)、マークス・シェーファー取締役(乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズの生産・調達販売担当)が監査役に就任する。
なお、シェーファー取締役は、2019年5月の株主総会で、ダイムラーの新社長およびメルセデス・ベンツ・カーズの責任者に就任する予定のオラ・ケレニウス取締役の後任として、ダイムラーグループの開発担当取締役およびメルセデス・ベンツ・カーズの開発責任者に就任する予定。
■ 中国向け高級車ライドヘイリングで吉利と合弁設立
ダイムラーと吉利は昨年10月には、中国におけるプレミアム・ライドヘイリング(配車サービス)事業で協力すると発表した。ダイムラーの子会社ダイムラー・モビリティ・サービシズと浙江吉利控股集団の新事業部門であるジーリーグループカンパニーが折半出資で合弁会社を設立する。