英高級車メーカーのジャガー・ランドローバー(JLR)は3月27日、短波長紫外線(UV-C)技術を応用して病原菌やウイルスの拡散を防ぐ空調システムの開発に取り組んでいることを明らかにした。風邪やインフルエンザに加え、抗生物質の効かない薬剤耐性菌(スーパーバグ)の蔓延を食い止めるのに役立つと期待される。将来的に同システムを市販車に搭載し、カーシェアリングの普及に伴い重要性が増す予防医療に貢献する。
UV-Cは紫外線のうち波長が200~280ナノメートルと最も短く、水の消毒や空気のろ過、表面殺菌などに広く利用されている。JLRのシステムでは、空調装置で病原体をUV-Cにさらし、菌やウイルスのDNAを分解して不活性化する。その後、清浄な空気を車外に放出する。
JLRによると、UV-C技術を使うことで、薬剤耐性菌の主要4種(MRSA=メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、VCM=バンコマイシン耐性腸球菌感染症、クロストリジウム・ディフィシレ菌、アシネトバクター)の拡散量を最大で30%削減できる。