英乗用車生産、4月は半減・ブレグジットが影響

英自動車工業会(SMMT)は5月30日、同国の2019年4月の乗用車生産が7万971台にとどまり、前年同月比では44.5%減と、半分近くに減少したと発表した。3月29日に予定されていた英国の欧州連合離脱(ブレグジット)に備え、物流などの混乱を懸念した自動車メーカーが、従来は夏に実施している生産ラインのメンテナンスを前倒しで実施するなどして生産を休止したことが影響した。

生産台数の減少は4月で11カ月連続となった。同月の乗用車生産の内訳は、国内向けが前年同月比43.7%減、輸出向けも44.7%減といずれも大幅に落ち込んだ。

1~4月の累計では、全体で前年同期比22.4%減の44万1,260台。内訳は、国内向けが18.5%減の9万2,603台、輸出向けが23.3%減の34万8,657台だった。大幅な落ち込みは、EU、中国、米国など世界の主要市場における需要減退も影響している。

■ 商用車生産、4月は70.9%減少

4月の商用車生産は、前年同月比70.9%減の2,162台と大幅に落ち込んだ。モデルチェンジの準備のための計画的な生産停止が背景にある。内訳は、輸出向けが89.9%減の525台と、全体に占める割合が過去最低の24.3%となった。国内向けは27.1%減の1,637台だった。

1~4月の累計は2万9,675台と、前年同期に比べ10.3%増加している。国内市場の受注好調が背景にある。輸出向けは、前年同期に比べ6.2%減少しているものの、全体に占める割合は57.8%と、商用車生産の半分以上となっている。

■ エンジン生産、4月は23.4%減

4月のエンジン生産も前年同月比23.4%減の17万7,925基に低迷した。英国のEU離脱に備えた完成車工場の生産休止が影響した。1~4月の累計は、前年同期比11.2%減の89万9,448基だった。

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