独自動車部品大手のボッシュは10日、ドイツ南部のテュービンゲンに人工知能(AI)の応用研究施設「ボッシュAIキャンパス」を建設する計画を発表した。投資は約3,500万ユーロ。同拠点の建設に向け、ボッシュは現在、テュービンゲン大学と約1万2,000平方メートルの用地の購入について協議している。新拠点へは2022年末に入居が可能となる見通しで、専門家約700人が同拠点に勤務する予定。
ボッシュのチーフ・テクノロジーオフィサー(CTO)とチーフデジタルオフィサー(CDO)を務めるミヒャエル・ボレ取締役は「ボッシュAIキャンパス」の建設について、「ボッシュは産業用AIの研究で世界トップクラスに入ることを目標としている。新しい『ボッシュAIキャンパス』により、この目標に一歩近づく」と説明した。
キャンパスには、実験室やオフィスのほか、新興企業や外部の研究グループが一時的に入居できるスペースも設ける計画。例えば、同拠点では、ボッシュのAIセンター(BCAI)の専門家やボッシュの様々な事業分野の専門家、新興企業の専門家などがプロジェクトを通して協力する。また、新拠点の近くには、マックスプランク・インテリジェントシステム研究所やテュービンゲン大学のAI研究施設がある。
テュービンゲンには、バーデン・ヴュルテンベルク州におけるAI研究を強化する目的で、産学政の協力により2016年に立ち上げた「サイバー・バレー」ある。ボッシュは「サイバー・バレー」の設立メンバーに入っており、新しいAIキャンパスの設立により、この取り組みを強化する。「サイバー・バレー」は、基礎研究を迅速に産業用途に活用することを目標としている。
ボッシュのAIセンター(BCAI)は、ドイツ、米国、インド、イスラエルにある6拠点に従業員約200人を抱えている。