英が欧州議会選参加、政府が正式表明

英政府は7日、同国が今月23~26日に実施される欧州議会選挙に参加する意向を表明した。EU離脱協定案を国会が承認するめどが立たず、議会選までの離脱が不可能と判断したためで、加盟国としての義務を果たさざるを得ない状況に追い込まれた。

英政府とEUは2018年11月に離脱協定案で合意。英国は議会の批准を経て、3月29日に離脱する予定だった。しかし、英下院が3度にわたって協定案を否決したことから、離脱期限を10月31日まで延期することでEUと4月に合意した。

メイ首相は離脱期限が延期されるものの、できる限り早期に議会から離脱案の承認を取り付け、欧州議会選に参加しないまま円滑に離脱することを目指す方針を打ち出していた。しかし、離脱協定案をめぐる与野党協議が難航し、妥協案が近くまとまることは困難な情勢となっている。

こうした状況を受けて、英政府の報道官は、首相が欧州議会選に参加せざるを得なくなったことを「非常に遺憾に思っている」と述べ、英国の選挙参加を初めて正式に表明した。

英国では2日に実施された地方議会選挙で、与党・保守党と最大野党の労働党がともに議席を減らした。EU離脱をめぐる混乱の責任が2大政党にあるとして批判を浴びていることが背景にあり、欧州議会選でも両党は苦戦が予想される。代わりに強硬離脱派の新党「ブレグジット党」と、EU残留派が立ち上げた新党が不満票を集めて躍進する可能性がある。

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