独自動車大手のダイムラーは3日、新しい事業モデルなどのイノベーションを推進するためメルセデス・ベンツ内に設置した組織「Lab
1886」がエネルギーシステムメーカーのロールスロイス・エネルギーシステムズ(以下、ロールスロイス)が計画する定置用エネルギー供給システムのパイロットプロジェクトに協力すると発表した。
ロールスロイスは今後数カ月かけて自動車用燃料電池をベースにした非常用の電力供給システムのコンセプトを開発する。例えば、計算センターなど、従来の内燃エンジンを非常用電源に活用している分野への供給を視野に入れている。
ロールスロイスは、計算センターはエネルギー消費量が大きく、今後さらに消費量は増加する見通しであることから、環境にやさしい燃料電池でエネルギー需要に対応していく必要があるとしている。
当該プロジェクトは現在、開発フェーズの段階にあり、来年初めにパイロット設備の製造を開始する。また、ロールスロイスは燃料電池だけでなく、再生可能エネルギー由来の水素の生成や他の人工燃料の生産にも取り組む。
ロールスロイス・エネルギーシステムズは、本社をドイツのフリードリヒスハーフェンに置く。従業員数は約1万1,000人。「MTU」および「ベルゲン」ブランドの製品として、船舶用・発電用・大型農機・レール車両用・軍事車両用などのエンジンや駆動システム、非常用のコンテナ型蓄電池などを製造している。