英エンジニアリング大手GKN傘下でオフハイウェイ車両向けのホイールを生産するGKNホイール・アンド・ストラクチャーズは11月26日、同社が設計にかかわった英農業機械メーカーJCBのトラクター「ファストラック2」が時速153.771マイルのスピードを達成し、今年6月に「ファストラック1」が達成したトラクターの世界記録103.6マイルを塗り替えたと発表した。
GKNはホイールおよびシャシの設計を担当した。シャシは重心を下げるとともに重量を減らし、量産品と比べて約25％の軽量化を実現した。独自設計のため通常の設備では製造できず、全ての部品を手作業で溶接したという。ホイールは12×28インチの特注サイズを使った。
JCBのイノベーション・成長担当のバーンホープ氏は、「（最高速度更新にあたり）最大のチャレンジはエアロダイナミクス性能と軽量化、全体性能の向上だった。重量5トンのトラクターを時速150マイルで安全に走らせるのは簡単ではなく、達成できたことを誇りに思う」と述べた。
GKNはJCBのサプライヤーとして30年以上の実績があり、直近の10年間だけでホイール100万個とシャシ2万2,000基を供給している。