ドイツ連邦政府はこのほど、2018年11月15日の決定から1年が経過した「人工知能(AI)戦略」に関する中間報告書を発表した。AI戦略における各取り組みの進捗状況を報告している。
例えば、小規模・中堅企業におけるAI活用を支援するイニシアチブでは、2019年6月からAIトレーナー33人が国内8カ所のコンピテンスセンター「ミッテルシュタント4.0」で業務を開始した。今後さらにAIトレーナーの陣容を強化していく。
欧州独自のクラウドインフラを構築する取り組み「ガイアX(Gaia-X)」では、ドイツ連邦経済産業省(BMWi)とドイツ連邦教育研究省(BMBF)が2019年10月29日に共同で、ドルトムントで開催されたデジタルサミットで当該プロジェクトのコンセプトを発表した。
国外におけるネットワークの構築では、2019年4月、ドイツとスウェーデンによるイノベーション・パートナーシップの対象となるテーマにAIが加わった。欧州におけるAIエコシステムの構築を推し進めていく。
今後の取り組みとしては、ドイツ連邦労働社会省(BMAS)が2020年3月にAI観測所を開設する予定などがある。同観測所は、AIの活用に伴う職場や社会への影響を分析し、今後の発展に向けた対応などを勧告する役割を担う。
連邦政府は2020年に、現在の研究開発の進捗状況やニーズの変化を考慮してAI戦略を見直し、場合によっては修正するとしている。