英自動車工業会(SMMT)は1月6日、同国の2019年12月の乗用車新車登録が14万8,997台となり、前年同月に比べ3.4%増加したと発表した。ただ、2019年通期では前年比2.4%減の231万1,140台にとどまった。SMMTでは減少の理由について、法人・個人の信頼感低迷や、政治・経済の不安定、クリーン・エア・ゾーン(大気汚染規制)に関する混乱など、複数の要因が影響したと説明している。
2019年通期の顧客別の登録台数は、大口法人(0.8%増)が堅調だったものの、個人(3.2%減)が減少し、小口法人(34.4%減)も大幅に落ち込んだ。
燃料別では、ガソリン車が2.2%増加した一方、ディーゼル車は12月に33カ月連続の減少を記録し、2019年全体では21.8%減と大きく落ち込んだ。
代替燃料車(AFV)は市場シェアが7.4%と過去最高を記録した。ハイブリッド車(HEV)が最も多く、前年比17.1%増の9万7,850台だった。純粋な電気自動車(BEV)は144.0%増の3万7,850台、プラグインハイブリッド車は17.8%減の3万4,734台だった。なお、英国政府は今後10年でBEVの市場シェアを50~70%に高める方針を示しているが、2019年通期のBEVの市場シェアは1.6%とまだ小規模にとどまっている。
SMMTによると、英国における乗用車新車登録の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量の平均は前年比2.7%増の127.9グラムに上昇した。SMMTでは、上昇の理由について、新しい燃費・排ガス試験方法(WLTP)では一般に、同じモデルでも従来の新欧州ドライビングサイクル(NEDC)に比べてCO2値が高くなる点を指摘するほか、一部のセグメントのシフトとディーゼル車の落ち込みが影響した、と説明している。