米自動車大手フォードの欧州法人ドイツフォード(ケルン)は1月28日、積層造型装置(3Dプリンター)大手の独EOSと共同で、人の声からホイールのロックナットを作製する技術を開発したと発表した。人それぞれの固有の声をベースに唯一無二の構造を持つロックナットを作ることで、ホイールやタイヤの盗難防止に役立てる。
人の声は指紋や瞳の虹彩と同様、生態認証IDとして利用できる。今回の技術ではまず、車のオーナーの声を最低1秒間録音し、その音波を専用ソフトウエアでデータ化。このデータを使って3Dプリンターで複雑な形状の溝を持つロックナットとキーアダプターを一体で作製する。ロックナットはステンレス鋼を加工できる3Dプリントで成型する。
溝の形状は複雑でコピーが難しいうえ、溝の奥に比べて口の部分が狭い作りのため、型取り用のワックスが使えないようになっている。声の波形の代わりに車のロゴやユーザーのイニシャルなどもパターンデータとして使うことができるという。