スウェーデンのオートリブ、新型コロナの影響緩和に向け5億ドルを拠出

スウェーデンの自動車安全システム大手オートリブは19日、感染が拡大する新型コロナウイルスの影響に備えて金融機関と合意している与信枠(約11億米ドル)から5億ドルを活用し、手元資金を厚くすると発表した。既存の短期債務の返済や事業資金に振り向ける。顧客である自動車メーカーが軒並み生産を休止し、部品需要が急減しているため臨時の資金手当てで急場をしのぐ意向という。

同社によると、フランス、イタリア、スペイン、ドイツの顧客メーカーが閉鎖する工場の数は欧州全体で63に上るほか、これらメーカーが米国やその他の国に持つ工場についても操業休止が次々と決定されている。生産停止期間がどの程度続くかは非常に不透明で、部品サプライヤーは様々なシナリオを検討する必要に迫られている。

これを踏まえてオートリブは、需要状況に応じて生産調整を実施するほか、工場の一時的な操業停止もあり得ると説明。今後世界的に乗用車販売が落ち込む可能性は高いものの、全体的な影響を現段階で予測することは困難との見方を示している。

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