英what3wordsの位置情報システム、配達効率15%向上

独自動車大手のダイムラーは26日、メルセデスベンツ・バン、運送大手のDPD、英新興企業のwhat3wordsの3社が小包の配達効率に関する比較試験を実施したところ、what3wordsの位置情報システムを採用した車両では、従来の住所によるナビゲーションシステムを使用した車両に比べ配達効率が約15%向上したと発表した。

what3wordsのシステムは、地図を3平方メートルの正方形で区切り、正方形の各面積を3つの言葉で定義する仕組み。同システムでは、従来の住所に比べ、例えば、面積の広い産業パークや工場、展示場などについて、搬入口の場所など、より細かく位置情報を特定することができる。what3wordsのシステムを採用した車両では、今回の試験で、配達先に到着するための最適な最寄りの駐車スペースを示した。

比較試験は、ドイツ南西部のナーゴルトで実施した。DPDの熟練ドライバー2人がメルセデスベンツ「スプリンター」を使用して、同市の全域を対象に50件の配達を行った。1台は、メルセデスベンツのマルチメディアシステム「MBUX」に従来の住所によるナビゲーションを、もう一台はwhat3wordsのシステムを採用した。また、50件のうち、いずれも、法人向け(B2B)が55%、個人向け(B2C)は45%とした。

比較試験では、what3wordsのシステムを使用した車両の方が、30分以上早く配達を終えることができた。約15%の効率向上効果のうち、最適な駐車スペースによる効率改善が全体の80%を占めた。what3wordsのシステムにより、ドライバーは走行時間や駐車場を探すための時間を削減することができた。残りの20%は、配達物を引き渡す場所がより明確であることを理由とするもので、ドライバーは徒歩による移動時間を短縮することができた。

このような結果から、what3wordsのシステムは、ドライバーが新しい配送地域を担当する場合などで効率改善が期待できるほか、ストレスを軽減する効果もあるとみられている。

メルセデスベンツは2017年に自動車メーカーでは世界で初めて、what3wordsの位置情報システムをMBUXに導入した。

また、今回の試験では、外部から位置情報を車両に送信して表示することができる開発中の「プッシュ通知」機能もテストした。

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