英乗用車生産、4月は僅か197台

英自動車工業会(SMMT)は5月29日、同国の2020年4月の乗用車生産が197台にとどまり、前年同月に比べ99.7%減少したと発表した。これは第二次世界大戦後で最も少ない生産台数となる。内訳は、輸出向けが152台、国内向けが45台だった。

大幅な落ち込みは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて工場が生産を一時休止したため。197台の生産は、操業休止前に組み立てられ、仕上げのみとなっていたプレミアム、ラグジュアリー、スポーツカーのセグメントのモデルだった。

なお、多くの工場では、操業休止中に医療従事者向けのフェイスシールドやフェイスバイザー、医療用ガウンなどの保護具を生産。一部の工場では、人工呼吸器などの医療機器の製造を支援した。

1~4月の乗用車生産の累計は、前年同期比27.6%減の31万9,449台だった。なお、前年は3月末に予定されていた英国の欧州連合(EU)離脱の影響を回避するため、生産を一時休止した工場があったため、従来に比べ生産台数が少なかった。

SMMTによると独立系調査機関の分析では、英国の2020年通期の国内乗用車生産は100万台を割り込む可能性もある。これは、2009年の生産台数よりも少なく、年初のコロナ危機前の通期予想(127万台)を3分の1(約40万台)下回る可能性があると指摘している。

■ 商用車生産、4月は15台

SMMTによると、同国の4月の商用車生産は、国内向けの15台にとどまり、輸出向けは0台だった。1~4月の累計は、前年同期比27.6%減の2万1,488台となっている。

SMMTによると、多くの工場では、重要なサプライチェーンや輸送業務が機能するよう、コロナ危機による生産の休止中も、交換部品を生産したほか、修理・メンテナンスサービスを提供するなどしていた。

■ エンジン生産、4月は830基

SMMTによると、同国の4月のエンジン生産は830基にとどまり、前年同月に比べ99.5%減少した。内訳は、国内向けが49基、輸出向けは781基だった。5月の自動車工場の生産再開を前に、4月末に小規模で生産を再開した。

1~4月の累計は、前年同期比33.4%減の59万9,793基だった。

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