独べバスト、19年は増収減益・20年の通期予想は見送り

自動車用ルーフシステムなどを生産する独ベバストは5月19日、2019年通期の売上高が37億ユーロとなり、前年に比べ約9%拡大したと発表した。大幅な増収は、昨年春に韓国の合弁会社Webasto Dongheeを完全子会社化したことが主因。Ebitベースの営業利益は、同合弁会社の資本取得や新技術への投資が負担となり、大幅な減益となった。売上高利益率は2.9%と、2018年(5.9%)を大幅に下回った。

事業別では、ルーフシステム部門の売上高が前年比11%増の31億ユーロに伸びた。同部門の売上高は全体の84%を占めている。暖冷房ソリューション部門の売上高は5億7,500万ユーロとなり、前年(5億9,400万ユーロ)をやや下回った。同部門の売上高は全体の15%を占めている。バッテリー・充電ソリューション部門の売上高は4,300万ユーロとなり、前年(1,900万ユーロ)の2倍以上に拡大した。

■ 中国が最大市場

地域別の売上高は、中国が全体の35%を占めており、同社にとって最大の市場となっている。売上高に占めるアジアの割合は全体の46%。欧州の割合は36%、アメリカは18%となっている。

2019年末時点の従業員数は約1万4,000人で、前年に比べ4%増加した。特に、アジアと欧州で従業員が増えている。

2019年の研究開発投資は3億1,800万ユーロとなり、前年を約17%上回った。エレクトロモビリティやルーフシステムの開発、顧客プロジェクト、メカトロニクスに関するノウハウの強化などに主に投資した。また、昨年の投資は4億500万ユーロとなり、前年を60%以上、上回った。うち、約1億3,000万ユーロを韓国の合弁会社の資本取得に投資した。

■ 第1四半期は18%減収、通期予想は見送り

2020年第1四半期の売上高は前年同期に比べ18%減少した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、自動車生産が急減していることが主因。今後については、現時点では予想が困難であるとして、通期予想の発表を見送った。

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