独KITなど、電極の乾燥時間の短縮を研究

ドイツのカールスルーエ技術研究所(KIT)が調整役を務めるプロジェクト「EPIC」では、リチウムイオン電池の主要部材である電極の生産工程の効率改善およびコスト削減に関する研究に取り組んでいる。具体的には、電極の乾燥工程の時間短縮によるエネルギー消費の削減を目指している。プロジェクトの実施期間は3年。2020年8月にスタートした。

電極の生産では、アルミ箔や銅箔など伝導性のあるフィルム(集電体)上に電極材料(スラリー)を薄く塗布し、乾燥させる。

KITの研究グループTFT(Thin Film Technology)の研究チームは、スラリーの新しい塗布工程の開発により、生産速度を向上させることができたものの、乾燥工程に時間がかかることがボトルネックになっている。プロジェクト「EPIC」では、乾燥工程にかかるエネルギーコストの20%削減および乾燥工程の時間を50%以上短縮することを目指している。

当該プロジェクトでは、KITの研究グループTFTが調整役を務めている。このほか、KITのwbk生産技術研究所、バーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)、ブラウンシュヴァイク工科大学が参加している。

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は研究クラスタ―「ProZell II」の一環として、当該プロジェクトに300万ユーロを支援している。

上部へスクロール