BMW、プロトタイプの開発にAR導入

独自動車大手のBMWは18日、自動車のコンセプトやプロトタイプの開発に拡張現実(AR)技術を導入すると発表した。ミュンヘンの新興企業や研究機関と協力し、ミュンヘンにあるBMWグループのパイロット工場でARを利用した最初の開発プロジェクトを、一年以内に開始する計画。ARの活用により、量産工程に導入するまでの開発や修正にかかるコストや時間を大幅に短縮できると見込んでいる。

具体的には、プロトタイプのCADデータとARメガネを使用して、実物大の3Dホログラム映像により、開発中の部品と車体を重ね合わせることができる。これにより、生産ラインの従業員が量産工程で部品をうまく組み込むことができるかなどを開発段階で事前に確認することが可能になり、試作の回数を減らすことができる。ホログラム映像は、簡単な手の動作により、大きさや位置、部品の角度などを修正することができる。

このほかには、ARを活用して、車両の内部構造を評価するために断面図を作成することもできる。マルチユーザーモードを使用すれば、異なる拠点の従業員が共同でコンセプトやデザインを見直し、早期に欠陥を修正することも可能という。これらのAR機能の活用により、将来の量産車に導入するさまざまなコンセプトのバリエーションや組立工程を短期間に柔軟かつ低コストで効率よく評価することができるようになる。

BMWグループのパイロット工場は、開発と生産の間に位置付けられている。同工場で製品や組立工程を量産の水準にまで洗練し、工場に導入することができる。パイロット工場は、ミュンヘンの研究・イノベーションセンター内の施設とミュンヘン近郊の3拠点で構成されている。総面積は10万平方メートルで、従業員850人が最大6つの車両プロジェクトを同時に推進している。

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