英乗用車生産、9月は5.5%減少

英自動車工業会(SMMT)は10月29日、同国の2020年9月の乗用車生産が前年同月比5.0%減の11万4,732台となり、過去25年間で最低の水準となったと発表した。1~9月の累計は、前年同期比35.9%減の63万2,824台だった。

9月の生産台数のうち、輸出は9.7%減の8万7,533台に落ち込んだ。主な輸出先である中国(1.2%減)、欧州連合(EU)(3.3%減)、米国(30.0%減)向けの輸出が低迷している。国内向けは14.5%増の2万7,199台と2桁増となったものの、前年同月は、新モデルが少なく販売が伸びていなかった背景がある。

SMMTによると独立系調査機関の分析では、2020年通期の乗用車生産が88万5,000台を下回る見通しであり、2009年(99万9,460)以降で初めて100万台を割り込む可能性がある。

なお、電気自動車(BEV)の9月の生産台数は、前年同月比37.0%増と伸びており、うち、EU向けを中心に輸出が76.6%を占めた。

■ 商用車生産、9月は3.3%増加

SMMTによると、同国の9月の商用車生産は前年同月比3.3%増の7,603台だった。国内向けが9.2%増と好調だった。輸出向けも0.3%増加した。輸出向けは全体の64.6%で、このうちEU向けが95.5%を占めている。

9月の商用車生産は、バンの受注により全体では増加したものの、バスの9月の生産は前年同月比43.2%減の63台に大きく落ち込んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大防止策として実施された4月の移動制限や、社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保を目的とした公共交通機関の利用者の減少を受けて、バスの需要は大きく落ち込んでいる。1~9月の累計では、前年同期(1,652台)と比べ54.2%減の756台に落ち込んでいる。

■ エンジン生産、9月は2.4%減少

SMMTによると、同国の9月のエンジン生産は、前年同月比2.4%減の21万6,643基だった。国内向けは0.8%減少、輸出向けも3.3%減少している。1~9月の累計は、前年同期比31.4%減の131万4,375基だった。

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