ダイムラーとボルボ・グループ、燃料電池の合弁設立で正式合意

独自動車大手のダイムラーは2日、商用車子会社のダイムラー・トラックとスウェーデンの商用車大手ボルボ・グループが燃料電池システムの開発・生産・販売を事業とする合弁会社の設立について法的拘束力を持つ合意書を締結したと発表した。両社は当該計画について2020年4月に基本合意していた。

両社は、合弁会社を通して、大型商用車および他の用途向けの燃料電池システムで世界市場を主導するメーカーを目指す。顧客の協力による燃料電池トラックの実用試験の実施までに約3年を見込んでいる。量産化は2020年代の後半を計画している。

ボルボ・グループは、ダイムラー傘下の燃料電池事業会社ダイムラー・トラック・フューエルセルの資本の50%を約6億ユーロで取得する。当該手続きは、当局の認可などを経て、2021年上半期に完了する見通し。

■ ロールスロイスに定置用電池を供給

ダイムラーは2020年5月、英ロールスロイス傘下のエネルギーシステムメーカー、ロールスロイス・エネルギーシステムズと定置用燃料電池を使用した非常用発電機の開発・販売で協力する計画を発表した。両社は同計画について、年内に包括的な提携契約を作成・締結する予定。

ロールスロイス・エネルギーシステムズは、ダイムラー・トラックとボルボ・グループによる合弁会社から定置用燃料電池の供給を受ける予定。例えば、計算センターなど電源セキュリティが重要な施設の非常用電源として定置用燃料電池を活用する発電システムを開発・販売する計画。ディーゼルエンジンを活用した従来の非常用発電機に代わる二酸化炭素(CO2)ニュートラルな非常用電源として需要があると見込んでいる。

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