ドイツのフラウンホーファー・付加製造技術研究所(IAPT)はこのほど、欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と、積層造形(3Dプリンター)によるFCAのスポーツカー用のブレーキキャリパー統合型ホイールキャリアを共同開発したと発表した。FCAは、積層造形(3Dプリンター)を生産速度の向上や製造コストの削減に生かしていく方針。
これまでは、個々の部品を製造し、複雑な工程で組み立てていたため、手間や時間がかかり、製造コストも高くなっていた。両社が開発したホイールキャリアのプロトタイプは、設計の見直しにより、12個の部品を使用する従来製法の製品に比べ重量が36%軽くなったほか、組み立て工程も大幅に削減することができた。また、疲労強度の向上や寿命延長、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)の改善などの利点もある。