スカニアが水素エンジン研究、燃料電池の代替可能性を探る

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のスウェーデン商用車大手スカニアは21日、代替燃料システム開発の加ウェストポート・フュエル・システムズと水素利用の研究プロジェクトで協力すると発表した。スカニアの内燃エンジンにウェストポート社の高圧直接噴射(HPDI)燃料装置を搭載し、燃料に水素を利用した場合の様々な影響を検証する。

ウェストポートはバンクーバーに拠点を置き、ガス燃料に特化した燃料供給システムを提供している。同社のHPDI装置を水素燃料に用いることで、現在の燃料電池技術と同等の二酸化炭素(CO2)削減効果を出しつつ、より低コストで競争力のあるシステムを提供できる可能性があるという。同装置はスカニアの現行の生産システムと互換性を持つ。

スカニアは水素技術の活用に取り組む一方、現行の燃料電池技術ではコストがかさむとして導入に慎重な姿勢を示している。同社のパワートレイン研究開発部門のエリック・オロフソン上級技術顧問は「今回のプロジェクトは複雑で、結果を得るにはかなり時間がかかるだろう」と述べるとともに、得られた知見を活かして顧客に役立つソリューションを開発していく考えを示した。

上部へスクロール