仏自動車大手のルノーは2月25日、電気自動車(EV)「ゾエ」の2種類のテレビCMを公開した。国・地域によって異なるEVの普及度合いに応じて訴求力を高めるため、2つのCMはそれぞれ販売実績と技術的実績とに焦点を合わせて制作されている。
販売実績に力点を置くバージョン(タイトル『ザ・チェイス』)は2020年に欧州のEV市場でゾエが最も売れた実績を踏まえて作られている。広告内の主人公はゾエの若い女性ドライバーに忘れ物を届けるため街中を走り回るが、気がつけば周りはゾエばかりで女性を見失う。小気味よく展開するモダンな映像の中でゾエの存在感をスタイリッシュに表現している。
技術的実績のバージョン(『リービング・ザ・ネスト』)では、大学進学を機に両親から与えられたゾエで実家を離れる息子を軸に描く。普遍的かつ感傷的な映像に合わせ、卓越した航続距離(WLTPサイクルで最大395キロメートル)や十分なトランク容量(338リットル)、余裕のある車内スペースなどをアピールしている。
ルノーは2つのCMについて、EVの性能への信頼が低い国には後者、EVが伸びている国には前者をと使い分けてマーケティングしていくとしている。