商用車大手スカニア、脱炭素で新興鉄鋼企業と投資提携

独フォルクスワーゲン(VW)傘下の商用車大手スカニア(スウェーデン)は1日、同国の新興鉄鋼メーカー、H2グリーンスチール(H2GS)との投資提携を発表した。化石燃料の代わりに水素を用いて鉄鋼を生産する同社との協力を通じ、全社的な脱炭素化への取り組みを加速させる。設立間もない同社への投資を通して将来の鋼材安定調達を図る狙いもある。

H2GSは現在、スウェーデン北部のボーデンで年産250万トンの製鉄所を建設する計画を進めている。稼働は2024年の予定。生産工程に水力・風力の再エネ電力で生成された水素ガスを使うことで鉄鋼1トン当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を95%削減する。同製鉄所での鉄鋼生産はスカニア向けが90%を占める予定。

H2GSは2020年の設立。会長のカールエリック・ラガクランツ氏は「設立当初から(スカニアのような)重工業メーカーと組むことで製品開発を効果的に行える」と述べ、スカニアとの提携の意義を強調した。同氏は同国の新興電池メーカー、ノースボルトの会長も務める。ノースボルトはフォルクスワーゲン(VW)と資本提携して車載電池のメガファクトリーを建設している。

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