インド鉄鋼大手のタタ製鉄は3月31日、欧州子会社のタタ・スチール・ヨーロッパがオランダ工場の脱炭素化に向けて同国政府に提出していた環境事業計画を刷新したと発表した。同国のエイマイデン製鉄所の環境対応をさらに強化し、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに40%、年間500万トン相当を削減する。
具体的には、◇同製鉄所の2つの高炉から出るCO2を回収し、北海の枯渇ガス田に貯留する◇高炉から発生するガスを利用して年間1万トンの水素を生成し、鉄鋼生産での利用や、将来の水素ネットワークに供給する――といった施策を盛り込んでいる。
タタは昨年12月、約3億ユーロを投じて同製鉄所の環境能力を引き上げることを発表。ペレットプラントに排煙脱硝(DeNOx)設備を設置することや、コークスガスプラントの近代化などの計画を明らかにした。同社は2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。