Munich Quantum Valley

バイエルン科学アカデミー(BadW)、フラウンホーファー研究機構、マックスプランク研究所、ミュンヘン工科大学、ミュンヘン大学が創設した研究イニシアチブ。バイエルン州およびドイツを量子科学技術分野における研究開発の主要なハブとして確立することを目指す。

イニシアチブに参加する機関が2021年1月に創設の趣意書を締結し、3月4日にはキックオフイベントが催された。

バイエルン州は、州議会の承認を得て、同イニシアチブに総額で3億ユーロを支援する計画。うち、1億2,000万ユーロを2021年および2022年に拠出する予定。同イニシアチブはさらに、連邦政府にも助成金を申請する計画。

同イニシアチブは、研究、開発、人材育成の3つの活動を柱とする。具体的には、量子コンピューティングと量子技術の共同研究センター(ZQQ)、量子技術パークを設けるほか、若い研究者や民間企業の専門家の育成に注力する。

量子コンピューティングと量子技術の共同研究センター(ZQQ)では、産学が重要な研究開発分野のプロジェクトを実施する。例えば、新しい材料を模索するための量子シミュレーターの研究、盗聴を防止することができる量子暗号の研究などで助成金を得ることができる。

ZQQではこのほか、量子コンピューターを構築するほか、量子コンピューター用のソフトウェアや従来のコンピューターへのインターフェースも開発する計画。

量子技術パークでは、研究機関だけでなく、新興企業や民間企業が量子技術の開発に必要とするハイテクインフラを整備する。薄膜形成用の設備を備えたクリーンルームや、最新設備を備えた実験室などを用意する。これにより、新興企業の研究者などが、研究成果をより迅速に製品化できる環境を提供する。

研究者や産業界の専門家の育成では、知的財産に関する研修や、技術と管理に関するテーマを組み合わせたプログラム、起業家向けのプログラム、産業界の専門家育成の研修などを実施する予定。

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