独自動車部品大手のコンチネンタルは15日、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と自動車用ソフトウエアの分野で開発提携すると発表した。コンチネンタルは、自動車分野の専門知識を提供し、AWSはクラウドコンピューティングの大手として機械学習やクラウドサービスなどで協力する。コンチネンタルはAWSとの協力により、さまざまな顧客が利用できる標準ソフトウエアの開発を加速する。AWSは今回の提携により、自動車分野における地位を強化することができる。
両社は具体的には、モジュール式のハード・ソフトウエアプラットフォーム「コンチネンタル・オートモーティブ・エッジプラットフォーム(CAEdge)」を開発する。これにより、自動車をクラウドと連携し、クラウド経由で顧客の希望する機能を提供したり、車載ソフトウエアをアップデートしたりできるようになる。
コンチネンタルは現在、大手自動車メーカーとCAEdgeの市場投入に向けた試験を実施しており、2021年末から他の顧客にも提供できるようになる。
また、CAEdgeの市場投入に向けて、コンチネンタルのソフトウエア・IT分野の専門家2万人のうち1,000人以上が機械学習に重点を置いたAWSクラウド技術の研修に参加する予定。これにより、コンチネンタルが独自にCAEdgeを改良したり、自動車メーカーと新しいモビリティソリューションを開発できるようにする。
両社はこのほか、最初の提携プロジェクトの一環として、複数の車両のカメラやレーダーが収集したデータをCAEdgeに取り込み、高度自動運転走行のシミュレーションに活用する。
自動車分野ではソフトウエアの重要性が高まっている。コンチネンタルでは現在、エンジニア約5万1,000人のうち約2万人がソフトウエア・IT分野の専門家となっている。人工知能(AI)分野の専門家は、現在の900人超から、2022年までに約1,900人に増える見通し。