ボルボカーズ、循環型ビジネスの導入でコストと排出量削減へ

スウェーデン乗用車大手のボルボカーズは4月12日、循環型ビジネスの導入によりコストとCO2排出量を削減していく方針を発表した。2025年以降に年10億スウェーデンクローナのコストと、250万トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減すことを目指す。同社は40年までに循環型ビジネスモデルを構築する計画で、それに向けて鉄鋼やアルミニウムなど排出量が多い材料の循環活用(クローズドループ方式)を促進するとともに、すべての部品を開発段階から再利用や再生ができるようなコンセプトに転換していく。

同社はすでにギアボックスやエンジンなどの部品の再利用に取り組んでいる。2020年に再利用された部品はおよそ4万点で、それにより二酸化炭素(CO2)排出量を約3,000トン削減できた。25年までに再利用事業を現在の2倍の規模に拡大する意向だ。また、昨年は工場廃棄物の95%(鉄鋼17万6,000トンを含む)をリサイクルし、64万トンのCO2排出を回避した。

このほか、スウェーデンの電池リサイクル会社のバッテリーループと提携して電動車の廃バッテリーを地域の定置蓄電池などとしてリユースする取り組みも進めている。電動車を循環型経済に組み込むことで新たなビジネスチャンスを創出することを狙う。4月から両社は廃バッテリーを太陽光発電向けの蓄電システムとして活用し、電動車の充電ステーションに電力を供給する事業を開始した。ボルボカーズはまた、環境技術企業のコムシス、フィンランドのエネルギー大手フォータムとも共同で同様のプロジェクトの商業化試験事業に取り組んでいる。

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