英自動車工業会(SMMT)は4月29日、同国の2021年3月の乗用車生産が11万5,498台となり、前年同月に比べ46.6%増加したと発表した。同国の乗用車生産は2019年9月から2021年2月まで18カ月間、減少が続いていたが、19カ月ぶりに増加に転じた。大幅な増加は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年3月半ばに工場が生産を休止したため、前年同月の生産が7万8,767台にとどまっていたことが背景にある。2015~2019年の5年間の3月の生産台数の平均と比較すると22.8%の減少となる。2021年1~3月の累計は、前年同期比4.0%減の30万6,558台だった。
3月の生産の内訳は、国内向けが前年同月比19.4%増の2万269台、輸出向けが同54.1%増の9万5,229台だった。輸出向けは全体の82.5%を占めている。主要輸出国・地域である欧州連合(EU)向け、米国向け、アジア向けはいずれも2ケタの増加だった。EUは英国産乗用車の最大の輸出先であり、3月の輸出向け乗用車のうち51.9%を占めた。
■ 商用車生産は16.9%増加
SMMTによると、同国の2021年3月の商用車生産は、前年同月比16.9%増の6,166台に拡大した。商用車生産は、2020年10月~2021年2月まで5カ月連続で減少していたが、6カ月ぶりに増加に転じた。前年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月半ばに工場が生産を休止していたことが背景にある。2015~2019年の5年間の3月の生産台数の平均と比較すると32.2%の減少となる。1~3月の累計は、前年同期比24.7%減の1万6,900台だった。
■ エンジン生産も31.7%増
SMMTによると、同国のエンジン生産も2021年3月は、前年同月比31.7%増の19万6,231基に拡大した。ただし、1~3月の累計は、前年同期比11.1%減の53万4,793基にとどまっている。