米国人観光客の受け入れ、EUが今夏に再開へ

欧州委員会は4月26日、欧州連合(EU)が新型コロナウイルス感染拡大を受けて実施している域外からの渡航制限について、米国については緩和し、ワクチン接種を条件に観光客を受け入れる方向で米当局と協議していることを明らかにした。新型コロナワクチンの接種を受けた人にEU共通の証明書を発行する制度に米国を組み込み、今夏をめどに渡航を解禁する方針だ。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は25日、米ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、ワクチンを接種した米国人観光客の受け入れを検討していることを明らかにしていた。欧州委の報道管は記者会見で、同委員長の発言内容が事実であることを確認。米国がEUのワクチン接種証明制度に参加する形での実施を計画していることを明らかにした。米国土安全保障省と協議を行っているという。

EUは2020年3月半ばに域外の第三国から域内への渡航を原則として禁止する措置を決定。7月から規制を緩和し、一部の国を対象に観光、短期の出張など不要不急でない渡航も認めているが、対象国は現時点でオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、タイ、韓国、ルワンダの6カ国だけだ。

フォンデアライエン委員長は、米国ではワクチン接種が進み、6月半ばまでに成人の70%が少なくとも1回の接種を受ける見通しとなっていることから、観光客もEUに渡航できる状態になっていると指摘。米国とEUの両方で新型コロナ感染状況が悪化しないことを前提に、規制を緩和したい考えを示した。