フランスのマクロン大統領は4月29日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて実施している制限措置を6月末にかけて段階的に解除する方針を表明した。仏各紙とのインタビューで明らかにした。ただ、1日の新規感染者数は2万5,000人前後で高止まりしており、感染が再拡大すれば解除を遅らせるという。
フランスでは4月初めから全土で3度目のロックダウン(都市封鎖)に入り、食料品店や薬局などを除く店舗や学校は閉鎖され、自宅から10キロ以上離れた場所への移動も原則禁止となっていた。政府は4月22日に第1弾の緩和策を発表しており、5月3日から日中の外出制限と学校閉鎖が解除される。
新たな計画によると、5月19日からこれまで持ち帰りと宅配のみ認められていた飲食店について、1テーブルあたり6人を上限としてテラス席での営業が可能となる。一般の商店や美術館、映画館なども再開する。夜間の外出禁止は継続するが、開始時間を2時間遅らせ、午後9時からとする。
6月9日からは飲食店の店内営業を認め、スポーツジムなども再開する。夜間の外出禁止は午後11時以降に緩和し、ワクチン接種を終えたことを示す証明書があれば外国からの観光客も受け入れる。最終段階の6月30日には夜間の外出制限を撤廃する。
マクロン大統領は「感染対策だけでは人生を送れない。文化やスポーツなどフランス人らしい日常を取り戻す。今はワクチンがあり、コロナ禍を終わらせるための計画を立てられる」と述べた。