独自動車大手のダイムラーは11日、メルセデスベンツ・トラックと英・オランダ系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルがガソリンスタンドにおけるトラックの自動支払いシステムのプロトタイプの実証試験に成功したと発表発表した。両社はデジタル形式の燃料カードを開発し、ドライバーが車載ディスプレーで給油機の番号を押すと給油できるシステムやレジに行かなくても決済できるシステムを開発した。プラスチック製の燃料カードの発行や破棄が不要になるため、管理業務の負担が軽減されるほか、燃料詐欺を防止することもできる。
具体的には、メルセデスベンツの大型トラック「アクトロス」を使用して、シュツットガルトにあるシェルのガソリンスタンドで実証試験を行った。
メルセデスベンツ・トラックのデジタル・トラックIDとデジタル燃料カードの新しいプロトタイプを連携させ、トラックの車載システムにインストールした。また、デジタル・トラックIDと連携して、さまざまな用途に使用できるプラットフォーム技術「トラック・ウオレット」のプロトタイプを使用した。トラック・ウオレットの用途の一つとして、デジタル燃料カードが挙げられる。
これらに加え、プログラムインターフェイス「シェル・スマートペイ API」を介して自動支払いできる仕組みとした。シェルのシステムがトラックIDを認証すると、シェル・スマートペイ APIを介して自動支払いができる仕組み。また、安全対策として、GPSデータにより、トラックとガソリンスタンドの位置を確認した上で、給油機を利用できる仕組みも導入した。
給油が終わると、シェルのシステムが給油機の番号と共に、給油量や料金をトラック・ウォレットに通知する。また、トラック・ウォレットは車載タンクの給油状況をシェルのシステムに通知する。すべてのデータが一致すると、ドライバーはナビゲーションシステムを介して給油完了の通知を受取り、発進することができる。
ダイムラーは将来、トラックIDとトラック・ウォレットを様々な用途に活用できるようにしていく方針を示している。