独自動車大手のダイムラーは19日、商用車子会社のダイムラー・トラックが4月末から、メルセデスベンツの燃料電池トラックのプロトタイプ「GenH2 Truck」の走行試験を施設内のテストコースで開始したと発表した。年内に公道での走行試験を開始する計画。2023年には、顧客による実用試験を計画しており、2027年から最初の量産モデルを顧客に出荷する見通しを示している。
ダイムラー・トラックの開発チームは、「GenH2 Truck」において、現行のメルセデスベンツトラック「アクトロス」と同水準の耐久性確保を目指している。具体的には、走行距離は120万キロメートル、使用期間は10年、合計稼働時間は2万5,000時間を目指している。
また、水素燃料は、ガス状の水素に比べてエネルギー密度が高く、貯蔵時の圧力が低い液体水素を使用する計画。開発チームは今年末までに液体水素のタンクシステムのプロトタイプを開発する予定。現在はガス状の水素燃料を使用して試験を実施しているが、量産化までに全面的に液体燃料とする方針を示している。液体燃料では、ガス状の水素のタンクに比べて小型で軽量なタンクを使用することができるため、より多くのタンク搭載が可能になり、一回のフル充填で長距離を走行することができる。