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2021/6/4

テクノロジー・トレンド

コンチネンタルとドイツテレコム、衝突事故の警告システムを開発

この記事の要約

ドイツの自動車部品大手コンチネンタルと通信大手のドイツテレコムがインターネットへの接続機能を備えた自動車(コネクテッドカー)とその他の交通参加者(自転車、電動アシスト自転車、スクーター、歩行者など)との衝突事故を回避する […]

ドイツの自動車部品大手コンチネンタルと通信大手のドイツテレコムがインターネットへの接続機能を備えた自動車(コネクテッドカー)とその他の交通参加者(自転車、電動アシスト自転車、スクーター、歩行者など)との衝突事故を回避するための警告システムを共同で開発している。自動車とその他の交通参加者の進行方向や速度などから同時に交差点に接近し、衝突する可能性があると判明した場合、移動通信を介してリアルタイムで車両や携帯端末(スマートフォン)に警告する仕組み。

当該プロジェクトの成果は、ドイツのハンブルクで10月11~15日に開催予定の高度道路交通システム(ITS)世界会議で発表する予定。コンチネンタルによると、路上での最初の実証試験では好結果が得られたという。

両社が開発する警告システムは、GPS(全地球測位システム)、加速度センサー、移動通信、クラウドコンピューティングを活用している。

例えば、自動車と自転車の場合、自動車は、移動通信を通して車両の位置と速度をクラウドへ伝達する。自転車はスマートフォンあるいはネット接続機能のある車載コンピューターを介してクラウドに同様の情報を伝達する。警告システムは、これらの情報を基に双方の5秒以内の進路を計算し、衝突の危険があると自動車および自転車に乗る人が持つ携帯端末に警告する。

情報処理の遅延を小さくし、端末への応答時間を短縮するため、衝突の可能性のある場所から最も近い場所の通信網のクラウドで計算する「マルチアクセス エッジ コンピューティング(MEC)」技術を採用している。

当該プロジェクトは、ハンブルクで実施されているデジタルモビリティの実証試験プログラム「リアル実験室ハンブルク(RealLabHH)」の一環として開発を進めており、ドイツ連邦交通・デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)が資金支援している。

欧州では人口の約85%がスマートフォンを利用しており、つながる車(コネクテッドカー)も増加傾向にあることから、両社は当該警告システムが道路交通の安全性向上に寄与すると期待している。

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