VW、ノースボルトに5億ユーロを追加出資

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は9日、スウェーデンの新興電池企業ノースボルトがこのほど実施した投資ラウンドに参加し、6億2,000万米ドル(約5億ユーロ)を同社に追加出資したと発表した。これにより、VWはノースボルトの出資比率で引き続き約20%を堅持する。

ノースボルトは今回の投資ラウンドで総額27億5,000万米ドルを調達した。当該資金は、生産能力やリサイクル能力の拡大、研究開発の強化に投資する計画。具体的には、電池セルの需要拡大に対応するため、ノースボルトがスウェーデンのシェルレフテオーに建設を計画する電池セル工場の生産能力を当初予定の40ギガワット時から60ギガワット時に拡大する計画もある。

VWは2019年6月に、約9億ユーロを投資してノースボルトの資本の約20%を取得するとともに、ノースボルトの監査役会にVWから1名を派遣している。

VWは、欧州に2030年までに提携先と共同で電池セルのギガファクトリーを6工場設ける計画。電池セルの内製化に加え、グループで電池セルを共通化することで生産コストを大幅に削減する戦略で、具体的には、「プレミアムセル」と呼ばれる高級車向けの電池セルと、量産車向けの「共通セル」を生産する計画。

計画する6工場のうち2工場は、ノースボルトとの協力によるシェルレテオー工場とドイツのザルツギッターに建設が決まっている。シェルレフテオー工場では2023年に「プレミアムセル」の生産を開始する予定。生産能力を段階的に拡大し、年40ギガワット時とする計画。ザルツギッター工場では2025年から「共通セル」を生産する計画。

残りの4工場については現在、建設地や提携先を検討している。メディア報道によると、1カ所はVWのスペイン子会社セアトの拠点のあるマルトレルが有力視されている。もう1カ所は、VW傘下の高級スポーツカーメーカー、ポルシェがドイツのテュービンゲンに建設する計画と見られている。

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