スウェーデン商用車大手のボルボグループは2日、傘下のエンジンメーカー、ボルボ・ペンタが、ノルウェーの船舶用バッテリーシステム大手ZEM ASの過半数株式を取得すると発表した。グループが進めるモビリティの電動化に向けた取り組みの一環。ペンタが培ってきた船舶エンジンの技術基盤にZEMが持つ電動船舶に関する高い知見を取り込み、海洋交通の電動化分野での成長につなげる。
船舶の電動化には安全性や技術的な要件に加え、充電インフラの不足への対処、陸上交通とは異なる規制への対応など様々な課題がある。ペンタはZEMと協力して船舶電動化への障壁を克服し、同分野におけるラインアップや技術能力を強化していく方針だ。両社は将来的に製品やソリューションの共同開発も検討している。
ZEMは2009年の設立。フェリーやオフショア支援船、高速旅客船、救難艇のほか、成長著しい養殖業向けに船舶のバッテリーソリューションを提供している。これまでに、電動式ハイブリッドシステムを搭載したフィヨルド観光船「Vision of The Fjords」や電動双胴船として世界最速の「Ryger Flektra」などにシステムを供給した実績がある。