自動車の排気系部品や暖房システムを製造する独エーベルスペッヒャーは2日、燃料電池部品を開発・製造する米ViCTORi(VAIREX air systems)を同日付で買収したと発表した。ViCTORiの資本の100%を取得し完全子会社とする。エーベルスペッヒャーは、ViCTORiの買収により、今後の成長が予想される燃料電池市場に参入し、従来の内燃エンジン関連事業への依存度を下げていく。
ViCTORiは、市場ではVAIREX air systemsとして知られており、燃料電池のカソードに空気(酸素)を供給するエアコンプレッサーおよび関連部品を開発・製造している。VAIREXの製品は10年以上前に市場投入されており、これまでに世界25カ国の顧客に累計で1万5,000以上のエアコンプレッサーを供給している。同社は、米コロラド州のボールダーに本社および工場を持つ。販売活動は、東京、ソウル、上海を拠点とし、これまでは主に、米国とアジア市場で事業を展開してきた。
エーベルスペッヒャーは今後について、同社の電子部品をVAIREXの製品と組み合わせたり、エーベルスペッヒャーのグローバル市場におけるプレゼンスを活用してVAIREXの製品を販売するなどしてVAIREXの事業を強化していく方針を示している。